デメちゃんデメちゃんデメちゃんは先天性の病気で目が見えませんでした。 私は初めてデメちゃんが目が見えないと知ったとき、可哀相と思った反面ヒドイい事に「体も弱いし目も見えないこの子はいっそ死んでしまった方が幸せ」なんて自分に都合のいい事を思ってしまいました。 (可哀相なこの子を見ている自分が辛かっただけでした。) 1ヶ月、2ヶ月たちデメちゃんの兄弟は大きく成って元気に走り回っています。 でも、デメちゃんはまだミルク以外のエサを受け付けません。 無理やり口に入れても嫌がって吐きだすだけ。 体も小さいままで掌に乗るくらい… でもなぜか元気だけはよくて、あっちこっち歩き回り家族の膝にチョコンと座るのです。 可愛い~!!その頃になると小さなデメちゃんはすっかり家族の人気者で、みんな自分の膝に座って貰おうと「デメちゃん、デメちゃん」と呼ぶのです。 デメちゃんは特におなかを持って高い高いをすると、まるで空を飛んでいるかのように手足を広げて喜びました。 何度でもやって欲しいとねだるのです。 それから3ヶ月、生まれてから五ヶ月たちました。 デメちゃんはまだミルクだけで、少し大きく成りましたが痩せっぽち。 兄弟はすっかり大きくなって、もうおかあさん猫に追いつきそう。 どんなに工夫してもエサを食べてくれないデメちゃん。 そんなある日、奇跡が起こったのです。 デメちゃんが初めて一口ゴハンを食べたのです。 家族はみんな大喜び! 口元まで持っていくともう一口。 ヤッタ~!更に手からあげるとモットモットと欲しがります。 次の日には自分で食べる事も出来るように… デメちゃんが喜ぶ様に美味しくて栄養のありそうなエサも買ってきました。 これがまたデメちゃん大喜び!! いつもよりもバクバク食べました。 これで大丈夫、安心だ!! しかし、別れは突然やって来ました。 次の日の朝デメちゃんにゴハンをあげようと部屋に行くと、デメちゃんが倒れていました ・・・・・ もうすっかり冷たい・・・・・・ 昨日、あんな元気にゴハンを食べたのに、あんなに喜んでいたのに、もうデメちゃんは起きあがってきません。 私は神様を怨みました。 デメちゃんをこんな体でこの世に送り出し、何も良い事も無くやっとこれからとゆう時に命を奪っていった神様を。 そして最初にデメちゃんを見てヒドイい事を思った自分を… よく見てみると、一度も開いた事の無いデメちゃんの目が開いてました。 最後に何か見たのでしょうか? それとも天国に行くのに神様が治してくれたのでしょうか? その日一日、家族はデメちゃんと一緒に過ごし、夜自分の部屋が見える所に埋めてあげました。 最後にデメちゃんがゴハンを食べてくれたのは、もしかしたら私達へのお礼だったのかも… デメちゃんゴメンなさい、そしてありがとう。 もしかしたら今頃、大好きだった空を両手両足を広げて飛んでいるのかな・・・ 狭い家の中で家族しか友達が居なかったデメちゃん 3年間辛くて誰にも言えなかった、家族の間でも話し出来なかった、デメちゃんの話最後まで読んでくれてありがとう。 |